ハワイ王家の墓所を訪ねる
ヌウアヌにあるロイヤル・モザリウム「マウナ・アラ」。ここはハワイ王族とその家族が眠る霊廟。王家の魂が宿るこの場所には礼拝堂や墓標が並び、厳かな空気を持つハワイ随一の隠れた聖地という人も多い。1865年に建設され、元はイオラニ宮殿内にあった霊廟をこちらへ移し、カメハメハ大王と、ルナリロ王を除くハワイ王朝全君主が埋葬されている。
そして、この霊廟を守り続ける家族がいる。カメハメハ王朝の末裔であり、先祖代々墓守としてこの場所に住むマイオホ家。現在は7代目にあたるカイさんが亡き父の後を継いでいる。幼少時から墓守を使命として育てられ、王家の歴史を学び伝えるという大きな役割を担う。世界広しといえど、王家の霊廟を一般に公開しているところは多くはないであろう。ハワイ王朝がなくなった後だからこそ、カイさんの使命は大きく尊い。ハワイアンの聖地をこころよく解放している懐の深さ、マノアの近所に住むおばあちゃんと一緒にお墓まいりに行く墓所の隣にあるという立地に親近感さえ感じ、ハワイの愛される由縁を肌に感じる。