HAWAIIでリトリート

ここ数年よく見かける言葉「リトリート」。自分の記憶が正しければ、ハワイとリトリートという言葉を同時に使用したのは、ニック加藤さんではないだろうか。ニックさんとの最初の出会いは、今から約20年ほど前。集英社の雑誌の撮影でハワイに行った際、コーディネーターとして現れたのがニックさん。出会ったすぐ後に本を出版、その内容はワイキキやショッピングなどとは無縁の、ハワイの自然を楽しんでそして感じるためのヒントで溢れていた。その本の中に書かれていたのが「リトリートハワイ」(「ハワイでリトリート」だったかもしれない)。ニックさんが捉えるハワイは、ピュアでナチュラルでスロー。本人の仙人のような風貌そのもののような、飾り気のないハワイ。
当時リトリートという言葉が広まることはなかったのだけど、今になって「癒やし」とか「一人になる」とか「リセット」などの言葉と一緒によく使われるようになった。同時に、リトリートを体験できるツアーや場所もジワジワと現れ始めている。日常から離れた隠れ場のような場所で静かに過ごすという、本来のリトリートの意味からすると矛盾しているような気もする。だけどワイキキから離れて、ハワイ本来の姿を見たり感じたいとそう思う人が増えるのはいいことだと、歓迎してもいいのではないだろうか。

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