日本人移民の涙で一面の砂浜が濡れた、ヨコハマベイ

オアフ島の最西端、カエナポイントへマカハ側から向かうと、その手前に白砂が美しいビーチが広がっています。ビーチの正式名称はケアワエラビーチですが、地元の人々からはヨコハマベイと呼ばれています(ベイ=湾なのでビーチをヨコハマベイと呼ぶのはちょっと違う?)。

英語表現の正誤はともかく、何故ここがヨコハマベイと呼ばれるようになったのか? 諸説いろいろあります。最も知られているのは、「当時日本からやってきた移民の人々が釣りをしていた姿が頻繁に目撃されていたから」という説。因みにビ―チ名のKeawaulaとはハワイ語で赤という意味。「イカのピンクの甲羅で海が赤くなるほどだった」ことから、このようなビーチの名前になったといいます。では何故日本人=ヨコハマなのでしょうか?その理由は、日本人移民が日本を最後に発ったのがヨコハマの港だったから、と言われています。同時に、オアフ最西端ということは、ここが日本に最も近い場所ということにもなります。当時月15ドル足らずの低賃金で過酷な労働を強いられていた日本人移民の多くが、「こんなはずではなかった!」と憤ってみたものの、しかし帰るに帰れない。この浜にやってきては怒りと悲しみをぶつけ、故郷を思い出し、泣いていたことから、ここがヨコハマベイと呼ばれるようになったというのがもう一つの説です。悲しさと辛さとを堪え、望郷の念にかられて溢れる涙を流していたことは想像に難くなく、あたり一面の砂浜を濡らすほどに涙を流したとさえ、言われています。
現在我々日本人観光客がハワイで楽しめるのも、こうした先人の方々の苦労があったからこそということを、たまに思い出してみてください。

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