手作りレイの行く先は

Stay Home要請が出て1ヶ月が経った。いつもはしない料理をしたり、庭の手入れに励んだり、ネットフリックスを見たりして過ごしている。撮影繁忙期でてんやわんやが常だった初夏にいつもと違う生活。たくさんの花々が咲き始めるこの時期、プアケニケニが満開になる。人々がハワイへ訪れるのが航路だけだった時代に10セントで売られていたことからついた名前。ハワイ語でプアは花、ケニケニは10セントを意味する。朝、白い花をつんでレイを作り夕方には山吹色へと変わる命の短さのせいか、南国生まれ特有の甘いトロピカルな香りは一度香っただけで記憶に残る特別な存在感を持つ。

世の中は外出禁止令がでていてレイショップは閉まっているし、せっかく時間があるんだもの、と久しぶりにレイを作る。レイは誰に贈ろうかと思いをこめて作ることが大切と教えてくれたのはレイメーカーであり著名なフラダンサーのプアさん。人が集まることが禁止されている今、ソーシャルディスタンスを保った10人以下のルールを守り行うお葬式をやろうときめた友人の最愛の人のお葬式に、そして6歳のお誕生日を迎える小さなご近所さんに。レイはいつだっていろんな旅立ちを見守ってくれる。大きく揺さぶられている世の中をも守ってほしいなと思いを込めて。

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