あこがれと思い出の ミッドセンチュリー

ハワイを代表する建築家ウラジミール・オシポフが設計し、インテリアの細部にまで手を施した住居がある。場所は夜景で有名なタンタラスの丘。ホノルルからウエストサイドまでを見渡せる眺望を持ち、緑深き山にぽっかりと浮かぶ宇宙船のような家「リジェストランド・ハウス」。
1950年代に建てられた2階建ての住居は大きな庇をもち、ハワイの風が心地よく吹き抜ける。何十年という時を経た家具やデザインは当時最流行だったミッドセンチュリーの雰囲気をまといながら渋く光る。かっこいいのに、どこかあったかいなあと感じるのは、ここを見学する際の案内人ボブさんの話に引き込まれるから。ネタばれになるので内容は控えますが、ボブさんはこの家で生まれ育ったリジェストランド家の息子さん。少年時代のボブさんの目に映ったオシポフの姿、家族のあり方、ハワイの20世紀が垣間見れて、しかもオシポフ建築に触れられる。でもきっと近い将来、この家も触れられなくなることを勝手に見越して、今のうちにべたべたと触っている。

The Liljestrand House リジェストランド・ハウス
3300 Tantalus Dr. Honolulu, HI 96822
808-537-3116
※完全予約制。見学予約はウエブサイトから。 *料金は設定されていないので、寄付をお願いします。
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